Web体験!デッサン教室

 初心者の方は、写実的に描写するにはどういう手順や意識で描いたらいいのかわからない人が多いのではないでしょうか?
 ここでは、鉛筆を使って簡単なデッサンを体験してみましょう。デッサンを継続して練習することで、フォルム(形)の捉え方、コントラスト(明暗差)の配分、構図の組み立て方を学び、観察力を磨いてイメージどおりに表現する力を身に付けていきます。ただしデッサンは一つの技術・練習法に過ぎず、それがただちに作品の良し悪しに結びつくものではないと思います。

●材料
鉛筆/B〜4Bぐらいの硬さがお奨め。ここでは2Bを使っています。
練り消しゴム/紙を傷めず消しかすも出ないのでおすすめ。無ければ普通の消しゴムでもOKです。
スケッチブック/普通の画用紙でもかまいませんが鉛筆の場合は目が細かい方がいいです。
鉛筆削り/特に仕上げの段階では鉛筆は尖らせた方が細部が描きやすいのです。
モチーフ/複雑すぎても難しいし、単純すぎても描きがいがないものです。初心者には果物や野菜等がおすすめです。ここではじゃがいもを使いました。

●準備
モチーフの下に白い布や紙を敷き、光が横から当たるように配置しましょう。できれば昼間の窓際などやわらかい自然光が描きやすくお薦めです。部屋の電灯は消しましょう。紙の面が目線に対して直角になるようスケッチブックを立てて構えましょう。画用紙で描く人は画板のようなものにクリップで固定するとよいです。鉛筆は字を書くときのように持たないで、写真のようになるべく力が入らないような持ち方がお薦めです。
 全部で五段階ありますが、必ず一つの段階が終了してから次のステップに進むようにしてください。では、始めましょう!

1.構図決定
最初に、画面全体の中でモチーフをどのように配置するか薄く輪郭を描いてだいたいの構図を決めます(けっして強く描かないこと!)。この場合右側に影が入りますからじゃがいもを少し左にもってきて全体のバランスを整えます。ここで輪郭を整える必要はありません。

2.シャドウ部
まずはモチーフをよく観察して、ライト部(明るい部分)とシャドウ部(暗い部分)に分けましょう。目を細めて見るとわかりやすいかも。そして影も含めたシャドウ部の形をおおざっぱに描いていきます。輪郭線でじゃがいもの形を描くのではなく、シャドウの形を一つのかたまりとして捉えるのがコツです。
鉛筆は、べったり塗るより色々な方向に線を重ねるようにして描いてみましょう。力を入れないで軽く素早く描くこと。また指や綿棒でこすってみるのもいいでしょう。

3.ディープシャドウ
最も暗い部分(ディープシャドウ)は何処か、最も明るい部分(ハイライト)はどこかよく観察します。そしてとりあえずディープシャドウを強く描いておきます。くれぐれも細部は後まわしにしてください。

4.ハーフトーン
ハイライトを塗り残しながら中間のハーフトーンを塗り描きます。光の当たる方向を強く意識しましょう。形の狂いを少しずつ修正しながらバックもうっすらと塗っていきます。一部分に固執しないで常に全体のバランスに気を配りましょう。

5.仕上げ
この段階になってからようやく細部を描き込んでいきます。シャドウ部とライト部の境界部分を描き込むと表面の質感が出てきます。ハイライトはねり消ゴムの先を尖らせて抜き取るように描きます。影の境界線は二重・三重にやわらかく描くと影っぽい感じが出てきます。
そして、もうこれ以上どうにもできない!と感じたら完成です。やれやれお疲れさまでした!!